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サイトの更新情報やオフライン活動、ギアス関連の感想が主です。
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ルルーーーーーーシュくーーーーーーーんんんんん!!!!
お誕生日!!!!おめでとう!!ござ!!います!!!!!!


5日の夜はルルーシュ君のお誕生日イベントに行ってきます!!めっちゃくちゃ楽しみです!!!!
こんなテンションとは落差が激しいルルーシュ君お誕生日ネタのSSです。

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ナイトオブセブンとなった枢木スザクは、キャメロットの休憩室で手の中の携帯電話をジッと見詰めた。
名誉ブリタニア人の一兵士だった頃は所持することを許されなかったものだ。ラウンズの地位を得た 今は 、今までかけられていたありとあらゆる制限が解かれている。
けれど、だからと言って名誉だった頃のことを忘れたわけではない。携帯電話がなく、アドレス帳なども持ち歩かないスザクが暗記するしかなかった『友達』の電話番号も、はっきりと覚えている。滅多にかけなくななったからと言って、一度暗記したものは都合よく忘れられない。……特殊な能力でもかけられていなければ。
スザクは記憶の中の電話番号を、携帯に入力するだけして、通話ボタンに指を近付けながら躊躇していた。ブリタニア本国とエリア11の時差は14時間。今頃向こうは日付が変わる時間だ。きっと開催されているであろう生徒会でのパーティーも終わって、部屋に戻っている頃だろう。
警戒心の強い彼のことだ。知らない番号から連絡が来てもとらない可能性だってある。そもそももう、寝ていてもおかしくはない。
一度かけて、出なければそれまでにしよう。自分の中でルールを決めて、スザクは小さく息を吐き、通話ボタンを押した。
プルルルル、プルルルルと何度かコールを聞きながら、やはり出ない、と心のどこかで安堵する。けれど、一方で落胆していることも自覚していた。
と、不意にコール音が止む。
「ルルーシュだ」
久しぶりに聞いた彼の声に、 すぐに留守番電話である可能性に思い至って、 咄嗟に応える言葉を呑み込んだ。
「もしもし?」
けれど怪訝そうなルルーシュの声が聞こえて、ぴくりと手が震える。留守番電話じゃない。ルルーシュだ。それを認識した途端、スザクの心臓が跳ねた。
「おい、聞こえていないのか?」
応えなければ、と思い口を開く。が、それよりもルルーシュの言葉の方が一歩早かった。
「スザクか?」
「ルルーシュ」
ルルーシュは、スザクが声を出す前に、知らない筈の電話番号の正体を突き止めた。あまりに驚いて、じわりと手に汗が滲む。
「やっぱり。久しぶりだな」
「……どうして、わかったの?」
嬉しさを滲ませるルルーシュと反して、スザクの言葉は自然と固くなる。また何か、得体の知らない力を手に入れてるのではないか。人に命令を下せる力などというものがあるのだ。どんな力があってもおかしくない。
今、ルルーシュは皇帝の力によって、ギアスの力もゼロであった記憶も失っているはずだ。けれどもし、自分の知らないところでルルーシュの記憶が戻っていたら? そしてまた、妙な力を使って日本人を扇動して争いを始めたていたら? 考えただけで、携帯を握る手に力が篭る。
「俺の携帯番号を知っていて、俺のアドレス帳に連絡先が入っていない相手なんて限られているからな」
「あぁ……、そっか」
けれどすぐに、その可能性は否定された。ルルーシュの記憶が戻っていれば、こんな風に喜びを滲ませた声で話さないはずだ。
「それに……丁度、お前のことを考えていたから」
「……どうして?」
含みを持たせた言葉に、再び心臓が跳ねる。ゼロでないルルーシュが自分の事を考える理由などない。一瞬そう思ったが、違う。ルルーシュは、ゼロでない時の……学生として過ごしていたの時の記憶は残っているのだ。
「わかっているくせに。俺に言わせるのか?」
だから、生徒会の人達と一緒にスザクの誕生日を祝ってくれた時の記憶もある。その時のことを言っているのだ。
「誕生日おめでとう、ルルーシュ」
「あぁ、ありがとう」
ただの口約束だった。まだお互いが何も知らない頃、 スザクの誕生日に生徒会主催で大きなケーキを用意して祝ってくれたことがあったのだ。それがルルーシュ発案のものだったと知ったスザクは、溢れる嬉しさのままに『十二月は、僕が精一杯お祝いするからね』と言ったのだ。ルルーシュは、子供の頃に一度伝えただけの誕生日をスザクが覚えていたことに驚いていた。
ラウンズに就任したため休学することになった今となっては叶わない事ではあるが、こうしてルルーシュに電話をしたのはあの約束が心に引っ掛かっていたためだった。
もうあの頃とは、何もかもが違うのに。こんな言葉だけの祝いに意味なんてない。そう思ってはいても、ルルーシュの様子を探りがてらだと自分に言い訳をして、携帯を手にしてしまっていた。
「携帯、持てるようになったんだな」
「うん」
「この番号に俺から連絡したらまずいか?」
「……そうだね、一応、軍から支給されているものだから。あまり私用で使うのは……」
「偉くなっても相変わらず頭が固いんだな。この電話はどうなんだよ」
「今日だけ。特別だよ」
「全く……相変わらず勝手なやつだな。今は忙しいだろうが、エリア11に来る時は顔を出せよ。ロロも喜ぶ」
「……うん。その時は、連絡するね」
軽快に会話をしているようで、精神は確実に摩耗している。ルルーシュの言葉の一つ一つに、違うだろう、そうじゃないだろうと言ってしまいたくなる。
憎んでいる父親に売られて、 最愛の妹を取り上げられて、 偽りの記憶を植え付けられて、偽りの弟を与えられて。どうして普通に暮らしているんだ。どうして、弾んだ声音で話すんだ。
それら全ては皇帝とスザクによって仕組まれたことであるはずなのに、スザクの心は理不尽な怒りに駆られていた。
「じゃあ、おやすみ、スザク」
言われて、小さく唇を噛む。吐きだせない感情を呑み込んで、代わりに『友達』としての言葉を口にした。
「……おやすみ、ルルーシュ」
ずっと、本当のことは何も知らずに眠っていて欲しい。
けれど、早く、目覚めて欲しい。
相反する二つの想いを噛み締めながら、スザクは終話ボタンを押した。
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